統合失調症
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統合失調症は、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れて起こります。幻覚や幻聴、思考障害、興奮状態等、症状は様々で比較的若い世代に発症しやすい病気です。

統合失調症の症状の現れ方には個人差がありますが、代表的な症状には次のようなものがあります。
幻聴


ほかの人に聞こえない声や音が聞こえてきます。
統合失調症では、特に人の声の幻聴が現れることが多いです。
たとえば、悪口を言う声、自分の行動を指示する声、何かを教えてくる声などです。
声がテレパシーのようなもので伝わってくると感じることもあります。
聞こえてくる声と会話することもあり、周りの人からは独り言を言っているように見えます。

妄想


事実でないことを信じ込んでしまいます。
「近所の人にいやがらせされている」「自分のことが世界中に知れ渡っている」「体があやつられている」「自分は大金持ちである」などです。
奇妙で非現実的な内容であっても、自分では事実のように思えてしまうため、ほかの人が考えを正そうとしても受け入れることができません。

思考障害

考えが混乱して、話や行動にまとまりがなくなります。
話が混乱してかみ合いにくくなったり、ほかの人の話を理解しにくくなったりします。

感情・意欲の障害


不活発になり、人付き合いを避けて部屋にこもるようになったり、入浴や着替えをしなくなったりします。
感情の動きが鈍ったようになって適切な感情がわきにくかったり、急に怒ったり興奮したりと感情が不安定になることもあります。

統合失調症は生涯でおよそ100人に1人が発症する、比較的よくある病気です。
10代から30代で発症することが多いですが、40代以降に発症することもあります。
脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることにより発症するといわれており、そのバランスを整える薬によって症状が改善します。
発症後、早めに治療を開始したほうが回復がスムーズであることが多いため、早めの受診が重要です。
自分自身では病気であると感じない場合も多く、その場合はご家族等から受診を勧めていただくことも重要です。

統合失調症の症状は、ほかの病気によって起きる症状と見分けがつきにくい場合もありますので、診察で丁寧にお話を聞いてから診断し、治療を開始します。
当院では、薬による治療を土台として、患者さんの個性に合わせてデイケア、作業療法によるリハビリテーションも行っています。運動不足や不規則な食事により肥満や生活習慣病を合併することも多いため、栄養指導も行っています。